この店は日本で1位2位を争うほど有名なセブン‐イレブンと思われます(対抗馬は木造で建てたら雪で潰れた名寄西1条店)が、現在は元のフランチャイズオーナーに不法占拠されているため休業中です。ただ地元住民からの営業再開の要望が強くあったため、代わりに駐車場に仮設店舗が建てられ本部直営で仮営業されています。

元々この店はセブン本部が借地に建てた店舗とされ、この店舗を借りてオーナー男性がフランチャイズ運営をしていました。しかしこの店の接客態度の評判は非常に悪く、客とオーナーが喧嘩するのは日常茶飯事だったようです。結果、オーナー男性はセブン本部から「異常な数の苦情の継続的発生およびオーナーによる本部への誹謗中傷の継続により、オーナーと本部間での信頼関係の破綻」(より簡潔には、セブン‐イレブンのブランドイメージを傷つけたため)を理由にフランチャイズ契約が2019(令和元)年12月31日付で解除されました。ところが元オーナーが店舗の明け渡しに応じず不法占拠を続けたため、休業状態となっています。

元オーナー男性はセブン本部相手に訴訟を起こします。元オーナー側は「時短営業したことが契約解除された理由」を争点としていましたが、セブン本部側も裁判において客とオーナーが口論する証拠動画等を提出したようで2022(令和4)年6月23日に大阪地裁でセブン本部側の正当性が認められ、敗訴した元オーナーに対し1,450万円余りの損害賠償、契約解除、店舗の明け渡しの全てが認められました。地裁判決は、本部側も時短営業を容認する姿勢に転じており「時短営業を拒む目的ではない」と認定、顧客に乱暴な言動を繰り返すなどの接客対応が改善されなかったことが解除理由と結論付けています。

元オーナーは不服として控訴しましたが、2023(令和5)年4月27日に大阪高裁も「契約解除を伝えられるまで10ヶ月あり、その間に接客態度を見直す十分な機会が与えられていたのに以前と同様の顧客対応を繰り返した」と指摘し、セブン本部側の訴えを認め一審の判決を支持し元オーナーの控訴を棄却しました。

元オーナーは不服として上告しましたが、2024(令和6)年4月17日に最高裁第2小法廷もセブン本部側の訴えを認め上告を棄却し、店舗の明け渡しと損害金の支払いを命じた1、2審判決が確定しました。