先斗町は、祇園と並ぶ京都の花街(お座敷で芸妓の舞などを楽しめる店がある街のこと)の一つであり、歓楽街でもあります。北は龍馬通(三条通の一筋南)から、南は四条通までの約500mの区間の東西にびっしりと店が並んでいます。鴨川側の店の多くは川床(納涼床)を有しています。
通りの道幅が驚異的に狭いため終日 歩行者専用道路となっていて、物理的に無理な乗用車はもちろん、自転車の通行も危険なので禁止されています。
先斗町は「ぽんとちょう」と読み、「ぽんと」なる日本語由来とは思えない不思議な響きの町名ですが由来は諸説あります。一説では「先・先端を意味するポルトガル語のponto」で、かつて洲崎(すさき、街が河口にむかって突出する場所)だったため、というのが今日の通説となっています。しかしポルトガル語で先・先端は、男性名詞のpontoではなく女性名詞のpontaであるため、本当にそれが語源なの?という点には疑問が呈されてはいますが、「先斗」という漢字をあてているのは由来の意味を漢字に含めた結果と見ることもできます。
他の説ではポルトガル語で橋を意味するponte(ポンチ)で、先斗町の南北に2つの大橋があるから説、挙句の果てには東西を高瀬川(皮)と鴨川(皮)に挟まれていてこれを鼓(皮と皮に挟まれている)になぞらえ、鼓を叩くとポンと音がするからポント町になった説などまであります。