2022(令和4)年7月24日、従業員が厨房の写真とともに「ナメクジ大量発生してます」などとSNSで発信したため「炎上」し、通報により市保健所が立ち入り調査に入り店が一時休業となるなどの事件が発生しました。

結果、ナメクジは発見されませんでしたが市保健所から「客席と調理場の区画がない」「動物(猫)が飼育されている」「(床のはがれなど)劣化があるので修繕が必要」などの改善点が指摘されました。指摘された問題は速やかに改善されたものの、本部は2022(令和4)年8月26日、前日の25日付で運営元だった有限会社ファイブエム商事との契約を解除したと発表しました。理由は「契約違反があったため」としています。また同じ26日に、運営のファイブエム商事もこの店と同社が運営する西多賀ベガロポリス店の2店舗を閉店すると発表しました。

その後この元従業員 圓谷晴臣(25歳)は2024(令和6)年2月13日、仙台南署に威力業務妨害の容疑で逮捕され、また店舗の運営会社から「うその内容をSNSに投稿し、店を一時休業させた」として偽計業務妨害の罪に問われ裁判となりますが、元従業員は2024(令和6)年4月24日に仙台地方裁判所で開かれた初公判で「投稿をした結果、店が一時休業したことは認めるが、うその発信はしていない」と述べて起訴された内容を一部否認しました。しかし最終的には、この通報者は他の犯罪での執行猶予中だったこともあり懲役1年の実刑判決を受けたようです。

SNSでは投稿は内部告発と判断され、「炎上」となりました。

問題となった「ナメクジ大量発生」などの真贋については当人たちにしか分からないことなのでここでは触れませんが、勤務先の不正を通報する場合は「公益通報者保護法」に基づく制度が存在するものの要件に当てはまるかどうかの判断は難しく、また制度的に保護されたとしても不利益がもたらされることが十分にあります。

例えば当店でのナメクジ事件での裁判では仙台地裁(須田雄一裁判官)に「店長や会社に強い不満を抱き、 復讐のために犯行に及んだ。公益通報を目的にしたものではない」などと公益通報であること自体を否定されるなどしており、たとえ事実だとしてもSNSで発信した場合、通報者は不利益を被る可能性が高いです。