店名の生石は松山市の生石(しょうせき)地区に由来します。少し離れた場所に松山市生石町(いくしまち)があり、同じ漢字を使いますが場所も由来も読み方も違っています。

遡ればかつてこの地にあった温泉郡生石村が生石地区の始まりで、旧温泉郡高岡村、富久村、久保田村、南吉田村、北吉田村の5つの村が合併して生石村となりました。

生石村の村名は、鎮守の杜であった「生石八幡神社」(しょうせきはちまんじんじゃ)から採られたとされています。日本書紀によると、かつて仲哀天皇の后であり応神天皇の母である神功皇后が、仲哀天皇崩御後に新羅に出兵した新羅征討(三韓征伐とも)の際、瀬戸内海を通り、松山のこの地にも滞在したとされています。また当時身籠っていた応神天皇の出産を遅らせるため月延石などと呼ばれる石を腹に当てさらしで巻いて冷やし出産を遅らせたとされており、新羅からの帰り、筑紫(今の福岡県)の宇美にて出産したとされています。この縁から、応神天皇や神功皇后を含む八幡神を祀ることで知られ全国に約4万社あまりあるとされる八幡宮の支社としてこの地に生石八幡神社が建立されたとされ、この時に月延石の故事より生石(しょうせき)を冠されたと考えられています。

対する現在の生石町(いくしまち)の方は、今から数百年前、お百姓さんが田を耕している時に鍬の先に石が当たり、幅24cm、高さ約48cm、厚さ約20cmぐらいの仏像、阿弥陀如来を刻んだ石が掘り起こされたと言い伝えられています。この地はかつて伊櫛(いくし)と呼ばれ、以降は「石を生む」から「生石」に変わったとされます。村民はこの石を祀るため小さな寺を建て、最初は信常寺と呼ばれ、やがて庵寺と呼ばれるようになったとされます。

このように、歴史的に興味深い地名を店名に冠したファミリーマートとなっています。