2006(平成18)年12月7日午前5時前、店のガラスを割り、男3人が店内のセブン銀行ATMにロープを掛けRV車で引きずり出して奪うという大胆な手口の強奪事件が発生しました。これはセブン銀行として初のATM強奪事件で、報道されている範囲では唯一の事件です。

このATMには現金758万円が入っていましたが、セブン銀行のATMは盗難防止のため、現金収納部分を不正にこじ開けると緑色でかつ強烈な石油臭のする特殊インクが流れ出て中の紙幣を汚損させるという仕組み(マーキング)が搭載されていました。事件後、現場から約30m離れた場所で現金が抜き取られ放置されたATM機が発見され、この機能が正常に稼働したことが確認されたため2006(平成18)年12月10日、新聞朝刊やインターネットで「お願い 緑色の特殊インク付着の紙幣にご注意ください!」と広報して犯人を追い詰めることになりました。個人情報の流出は発生しておらず、被害は現金だけとしています。

翌11日に栃木県警は、奪われた紙幣と見られる緑色のインクが付着した紙幣が計22ヶ所で総額24万2000円使われたことが分かったと発表しました。紙幣は1万円札22枚、5000円札3枚、1000円札7枚で、栃木県内で8ヶ所、東京や埼玉、群馬、茨城でも発見されたとのことです。使用場所はコンビニ7件のほか、パチンコ店やゲームセンターの両替機、セルフ方式の給油所、スーパーなどだったとされます。

事件から約1ヶ月後の2007(平成19)年1月11日、指名手配されていた主犯格の小菅智信(35)が横浜市内で逮捕され、日付は不明ながら小倉長広(36)、安田義光(36)あわせ計3名全員が無事逮捕されました。

罪状については、小菅智信と小倉長広は店員を脅迫したり「金を出せ」といった脅し文句を言っていないため地検は強盗罪の適用を見送り窃盗罪として2007(平成19)年2月20日に宇都宮地裁に起訴しました。安田義光は逮捕されたものの窃盗行為での関与が薄く処分保留となっていましたが逃走に用いた盗難車を10万円で買い取ったとして県警は同日盗品等有償譲受容疑で再逮捕しています。